|
AMR-WB()は、Adaptive Multi-Rate(AMR)をベースとするマルチレートの広帯域音声符号化方式で、GSMやW-CDMA 方式の第三世代携帯電話で利用される。 AMR-WB と区別するため、従来の AMR は AMR-NB()と呼ばれることもある。 同じ仕様は ITU-T が勧告した広帯域音声符号化方式 G.722.2 でも使用されている 〔ITU-T Recommendation G.722.2 (07/2003), ''Wideband coding of speech at around 16 kbit/s using Adaptive Multi-Rate Wideband (AMR-WB)''. ITU-T, 2003.〕。 == 概要 == AMR-WB は、GSM などで使用される Adaptive Multi-Rate(AMR)と同様マルチレートをサポートする音声符号化方式で、AMR を広帯域化することで音質を高めたものである。 通常の電話インタフェースの2倍の帯域幅を持つ 50 Hz-7 kHz(サンプリング周波数 16kHz)の音声信号を 6.60 kbps~23.85 kbpsまでの 9 種類のビットレートで符号化できる 〔3GPP, ''Adaptive Multi-Rate - Wideband (AMR-WB) speech codec;Transcoding functions''. 3GPP TS 26.190 version 9.0.0 Release 9, 2010.〕。 AMR-WB は標準化団体の3GPP(3rd Generation Partnership Project)が策定した。 ITU-T が勧告した広帯域音声符号化方式 G.722.2 も AMR-WB と同じものである。この規格は G.722、G.722.1 から派生したもので、これらと比べると同じ広帯域の音声をより低いビットレートで符号化できる。G.722.2 の正式な名称は''"Wideband coding of speech at around 16 kbit/s using Adaptive Multi-Rate Wideband (AMR-WB)"''(広帯域適応マルチレート (AMR-WB) 方式を用いた16 kbit/s程度の広帯域音声符号化)である。 AMR-WB の符号化アルゴリズムは AMR と同じ ACELP(Algebraic Code Excited Linear Prediction)を使用し、 以下のビットレートをサポートしている。6.60 kbps~12.65 kbps までが必須マルチレート構成で、通常は 12.65 kbps が使用される。それより高いビットレートは背景雑音が多い環境、音声と音楽との組み合わせ、マルチパーティ会議など高い音質が要求される場合に使用される。 コーデックの入出力は 14ビット長、サンプリング周波数 16kHzの信号で、これを 12.8 kHz にダウンサンプリングして処理を行う。デコード時には処理結果を 16kHz にアップサンプリングし、6 kHz ~ 7 kHzの高域成分を追加する。 会話での無音期間は、AMR の場合同様、音声区間検出機能(、VAD)で検出を行い 160ms ごとに SID()と呼ばれるデータを送信する。まったくの無音を避けるため、デコーダ側では SID を検出すると適度なレベルの背景雑音を再生する。 インターネット上での RTP による AMR-WB のペイロードの形式は RFC4867 で定義されている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「AMR-WB」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Adaptive Multi-Rate Wideband 」があります。 スポンサード リンク
|